2012年4月28日土曜日

歩く・なら「奥吉野に散る太刀の血煙・明治維新の魁「天誅組」最後の日(終焉の地)」(武木~蟻通)

歩く・なら奥吉野に散る太刀の血煙・明治維新の魁「天誅組」最後の日(終焉の地)」(武木~蟻通)を歩いた。本コースは桜の名所の吉野から遥か東へ1時間近くバスに揺られた所にあり、しかも遠距離コースにもかかわらず、コースの4分の3を占める川上村から東吉野村への山越えは一気に歩かなければならない。体力的にも時間的にも季節のいい長期休暇でないとなかなか訪れるをためらってしまう。健脚の方なら本コースは1日で余裕だとは思うが、我が体力では踏破するのが精一杯で「天誅組」の悲哀を感じることができない。まずは分割できない武木バス停から蟻通バス停を歩いたが、史跡等は全くない天誅組さきがけの道を辿るだけの自然耽溺コースであった。


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コースのスタートは武木バス停で目の前の風光明媚な吉野川武光橋を渡ってすぐに武木川沿いに車道を登る。車道なので山道のように急峻ではないが登っても登っても次の山が見えて大変であった。ミツ滝は何となく命名の由来がわかる。その後の小滝で武木川から遠ざかると本コースの正念場でもう許してくださいと思うほど登りが続く。自生する桜に染まる山頂を見て何とか気持ちを奮い立たせて、武木川小滝を渡って左に渓流を左に見るようになると上りながらも坂はゆるやかになり本コースのハイライトでだ。

再び武木川を右に見るようになるとまた急な坂道となり岩肌剥き出しの山頂が見える辺りが最後の踏ん張り所で再び武木川小滝を渡ると道はほぼフラットになりすぐに足ノ郷峠「川上街道」があり今度は延々と下り坂が続くのだが、手前にあった白屋岳登山道は封鎖されている。登りより楽は楽なのだが、軽快に歩けるほど緩やかなわけはなくかなり踏ん張って降る必要がある。杉林の林道をひたすら降ると杉林の続く林道があり、さらに進むとまたまた杉林の続く林道があり単調で退屈である。

天誅組さきがけの道まで来ると杉林もようやく終わり、吉野フォレストヒルズ花ごころまで降ると渓流沿いに歩を進められるのでやっと気分も晴れたのだが、下りの最大の楽しみである視界が広がる眺めはほとんどない。東吉野キャンプ場まで来るとやっと長くつらい下りが終わり、四郷川沿いのフラットな道を歩くとすぐに神武天皇聖蹟丹生川上顕彰碑があり、簡単に対岸に渡れる木橋が楽しいし、車道をはさんんで丹生川上神社摂社丹生神社もある。ここまで来れば蟻通バス停は目の前なのだが、時間ギリギリに着いてバス停がわからなくてもこの辺りは自由乗降指定地になっているので運転手さんにわかるように手を挙げればどこでもバス停である。

逆に時間が余っても夢淵と山口誓子にもあるように、高見川、木津川、四郷川が合流する風光明媚な観光地で時間つぶしに困ることはない。高見川夢橋を渡ってすぐの東の滝上から眺めることもできる。さらに時間が余ればコースを先取りし、丹生川上神社参拝者休憩所の手前の天然記念物丹生川上神社のツルマンリョウ自生地を訪れ、丹生川上神社本殿・東殿・西殿を参拝、丹生の真名井(清めのお水)を飲み、叶大杉に抱かれるのもいいだろう。

2012年4月21日土曜日

歩く・なら「能楽ゆかりの多武峰と三輪」

歩く・なら能楽ゆかりの多武峰と三輪」を歩いた。お定まりではあるが本コースも桜か紅葉の季節がベストシーズンである。いつもなら4月初旬から中旬が見頃を迎える多武峰の桜はようやく咲いたと思ったら今週の雨ですでに散り始めていた。しかし天気予報をくつ返して快晴までとはいかないが青空の広がる桜吹雪の舞う道を歩けたのは、今春の週末の天気が悪く塞いでいた気分を見事に晴らしてくれた。峰から降りた下界にも本コースは桜の名所は多いので多武峰で開花した頃に歩くのがおすすめではあるが、今年のように梅も桜も遅れるような年は山間部ほど開花が遅れるようで難しい。桜の季節は多武峰観光だけに専念して本コースを歩くのは紅葉の季節がいいのかもしれない。


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コースのスタートは談山神社バス停で、見ての通り素晴らしい桜風景だし通ってきたバス道の桜並木も素晴らしいが、本コースはそれらをはずしている。談山神社の全山くまなく歩いて多武峰全ての桜を楽しむなら1日がかりになるだろう。歩く・ならはリニューアルに合わせてコースをGoogleMapに掲載するようになり、いつもの歩いた軌跡を取得をしているIS01のOruxMapsにこのGoogleMapkmlファイルを取り込めば道に迷うことはないと思っていたらいきなりスタートの談山神社バス停の位置が違っていた。まあ本家本元の歩く・ならMapも完全ではないし、ここら辺のGoogleMapは荒く本コースの道が描画されていないので仕方ない。

桜吹雪の中を談山神社へ向かって山を下っていくと素晴らしい多武峰の桜風景だし、石段を登って談山神社拝殿からの眺も最高である。大化の改新の舞台にもなった今でも必ずニュースで流れるけまり奉納が行われるけまりの庭から望む十三重塔は桜の季節は実に絵になり、まだまだ多武峰観光を楽しみたいところだが、本コースは先が長いのでせせらぎを楽しみながら談山神社参道を下る。渓流沿いに歩くのが大好きなのだが、談山神社東大門から寺川屋形橋の遊歩道は短いがとても歩きやすい砂利というには少し小さなササクレだった小石が敷き詰められていたのに痛く感激した。ここからコースの大半は寺川沿いに進むことになるのだがしばらく行くと、奈良を歩く ゆきめぐり「剣豪ゆかりの里「柳生」を歩く」一刀石を彷彿する破不動不動滝があり、多武峰観光はここで一区切りだ。 


基本的に本コースは山下りのコースだと油断していたら、次はなかなかの勾配を持つ登りになった。本コースは長く最初から登りのきつい音羽山観音寺を目指すオプションルートはすっ飛ばすつもりでいたのだが、GoogleMapオプションルートの分岐点は分け行っていくのにかなり躊躇ってしまうような道だし、これが本道だと思う音羽山参道の位置はMapともかなり違っている。寺川沿いに戻ってくるとうきうきわくわくウォーキングがあり音羽山は登山に適しているようだ。その入口となるのが下居バス停であり桜が歓迎してくれるのだが、何とか見れるのは1本だけだった。Mapではここから倉橋池口バス停まで車通りが多く歩道もないのでバスに乗るよう勧めている。オプションコースを踏破するなら時間配分もいいし、後半を先に歩くことを厭わなければ何より桜の開花に合わせることができるので、コースを二分するならここがベストだ。 


 山下りはここで終わり、崇峻天皇陵を訪れた後の寺川がとてもよく、次にフェノロサが絶賛して国宝となった必見の十一面観音を有する聖林寺を参拝する。続けてここから参道だったのかと驚く談山神社一の鳥居を過ぎて、本コースのメインテーマである日本芸能発祥の地と語られている土舞台に足を伸ばした後、いよいよ寺川とはお別れだ。名残を惜しむようにアオサギ?とカモ?のツーショットを撮らえることができた。距離的にも時間的にも体力的にもこのままバスに搭乗した桜井駅にゴールしたいところだが、能楽宝生流発祥之碑を訪ねるために宗像神社へと道をとる。歩く・なら「山の辺の道 天理・桜井 街道がつなぐ古墳と国宝」(桜井コース)でも歩いたが旧町の趣のある旧家が多くなかなか楽しい。山の辺の道は何度も歩いているが宗像神社と次の欽明天皇磯城嶋金刺宮址を訪れるのは初めてだ。


仏教伝来之地碑からはいつもの山の辺の道を辿り、喜多美術館から大神神社を参拝し大美和の社展望台を登る。季節が合えば随所に桜風景が広がるのだがほとんどが葉桜なのは予想通りである。しかし大美和の社展望台からヤマザクラがまだまだ見れるのは意外だった。この後も初めて訪れる久延彦神社若宮社を巡り、歩く・なら「 卑弥呼はここにいたか?・ 纒向遺跡を歩く」と同様JR三輪駅へゴールするのがとってつけたように感じられる。山の辺の道を北へ向かうのではなく東に向かい歩く・なら「“倭王”武と名乗った雄略天皇の拠点へ」のスタート地点である大和朝倉駅をゴールにする方が、歩く・ならで抜け落ちている区間を繋げることができてよかったのではないかと思う。

2012年4月14日土曜日

歩く・なら「「記紀」編纂事業、始まりの地へ」

歩く・なら「記紀」編纂事業、始まりの地へ」を歩いた。明日香は季節を選ばないし桜の名所にも数えられないのだが、日本人の桜好きはすさまじいので飛鳥の旧所名蹟の多くで桜風景を堪能できる。今春の週末は雨が多く花散らしの雨の中ではあったが、落ちた花びらを風に舞うことを防ぎピンクの絨毯を歩くことができたのは望外の喜びであった。本コースは兄弟コースである歩く・なら「古代の記憶が眠る飛鳥の里へ」のショートカットコースでより多くの明須香の桜風景を楽しむにはこちらがおすすめである。


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コースのスタートは甘樫丘バス停で、近鉄橿原神宮前駅東口2番乗り場からかめバスを利用することになる。早速飛鳥川の桜風景だが見頃は過ぎている。国営飛鳥歴史公園甘樫丘地区まで少し遠回りして、甘樫丘地区公園案内図から甘樫丘を登ると本日一番のハイライトで一面ピンクの絨毯だった。あいにくの雨で人が少なく絶好のシャッターチャンスだ。

次に飛鳥川甘樫橋を渡り、飛鳥坐神社を目指す。こちらの拝殿前の桜は見ての通りの満開で素晴らしい。参道手前には飛鳥東垣内遺跡がある。この後元来た道を戻り蘇我入鹿首塚飛鳥寺の間の田んぼ道を南下して伝飛鳥板蓋宮跡を訪れる。ここにも立派な桜があるし途中の道でも桜風景が目を楽しませてくれる。

この後は世界遺産登録を目指す「日本の飛鳥から世界の飛鳥へ」の横断幕を掲げる明日香村役場の前を西に向かい、桜並木が素晴らしい飛鳥川を再び渡ると、少し南には樹齢を感じさせる桜の大木が見える橘寺があり、北には川原寺跡がすぐそこにある。この後明日香定番の遊歩道を歩き、亀石から天武・持統天皇陵を登り鬼の俎・雪隠猿石(吉備姫王墓内)と巨石巡りをして近鉄飛鳥駅へゴールする。

2012年4月7日土曜日

奈良ウォーキングマップベストセレクション 2.恋歌めぐり 佐保コース

奈良ウォーキングマップベストセレクション 2.恋歌めぐり 佐保コースを歩いた。2009年の奈良ウォーキングマップ⑨佐保川まなびやコース、2010年の奈良を歩く ゆきめぐり「桜花爛漫 奈良公園の桜を訪ねて佐保川から奈良公園へ」、2011年の奈良を歩く ゆきめぐり「万葉歌碑めぐり」に引き続きこれで4年連続佐保川堤の桜を楽しんだことになる。今年は極寒の冬の影響で桜の開花が遅れ最高の桜色に染まっていないソメイヨシノが多いし、まだまだ肌寒い北風に春気分がしぼんでしまったが、桜の開花時期を選べば最高のウォーキングコースである。来週の週末は天気さえよければ花吹雪の中で春を満喫できるだろう。


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コーススタートの平城宮跡朱雀門ゴールの奈良市役所ともにバス便の多い阪奈道路に面しているのでバスで行ってもいいが、平城宮跡の無料駐車場を利用してマイカーで行って、奈良を歩く ゆきめぐり「佐保路の三観音めぐり」にも紹介している通りイトーヨーカドー奈良店に立ち寄るのがおすすめである。

進路を西にとるとすぐ平城宮跡二条大路と壬生門があり、平城宮跡東院庭園の北を抜けて法華寺を目指すが、障害物のない平城宮跡は冷たい北風が本当にきつかった。平城宮跡の桜は若いのかまだまだ蕾のようだ。次に宇和奈辺古墳からJR大和路線陸橋を渡り不退寺を訪れるが、途中見かける桜も満開には後2~3日かかるような三分咲きだ。

山門の前に真新しい歴史の道案内図を見つけたと思ったが、2008年に歩いた奈良歴史の道(au地図ビューアー簡易ハンディGPS)時からあるようで、案内図が色褪せないのには驚きだ。宇和奈辺古墳から辿ってきた奈良歴史の道から一旦はずれて、奈良ウォーキングマップ其の弐 10.新 佐保川まなびやコースと同様坂道を登り、東大寺若草山絶景ポイントを巡って狭岡神社を参拝する。

狭岡神社の鳥居の前は何度も通っているが上り坂の参道を登るのは初めてであり、参道の西に狭穂姫伝承地狭穂姫伝承の鏡池があった。狭穂姫は春の女神様の佐保姫とは無関係で垂仁天皇の皇后であり神話時代のロマンを感じることができる。この後奈良歴史の道奈良県立奈良高等学校長慶寺の前を通って興福院までたどる。興福院の前の桜も蕾だったが雪柳が見事に咲いていた。

この後もう少しで見頃の春日野荘東桜のトンネルを南下した後、奈良市立佐保小学校枝垂桜大仏鉄道記念公園枝垂桜は満開で大満足である。この後いよいよ本コースハイライトの佐保川堤を歩く。佐保川奈良県立大学で南岸に渡り本コースはそのまま南岸を歩くが見頃の桜は少ない。名物の佐保川川路桜も三分咲きだ。

佐保川奈良市立佐保川小学校の辺りが佐保川桜まつりの中心で、やはり若草山を望む佐保川大宮橋が絶景ポイントだろうか。佐保川新二条橋を渡って最後は奈良市役所にゴールするが、奈良ウォーキングマップ⑨佐保川まなびやコースの通り佐保川堤の桜並木は続く。一度上流から下流まで一気通貫に歩いてみたいものだ。