2009年10月31日土曜日

奈良ウォーキングマップ③奈良公園見所たっぷり上級者コース

奈良ウォーキングマップ③奈良公園見所たっぷり上級者コースを歩いた。奈良ウォーキングマップの中では唯一中級者と上級者の二つのコースがあり、中級者コースは「奈良ウォーキングマップ③奈良公園見所たっぷり中級者コース」で踏破済みである。おもしろいのは両コースとも奈良公園のメインストリートである東大寺大仏殿と東大寺南大門を通らない。コースの前半は上級者コースと中級者コースは全く同じで、コースのスタートは近鉄奈良駅なら、ゴールも同じ近鉄奈良駅なので、上級者コースを歩いた後余力があれば中級者コースを逆から回り、東大寺大仏殿から東大寺南大門を経て帰ってくることをお薦めする。


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コース前半は依水園正倉院東大寺二月堂を巡るのは奈良ウォーキングマップ③奈良公園見所たっぷり中級者コースと同じである。中級者コースを歩いたのが2月だったのにこんなに間を開けたのには訳がある。正倉院は宮内庁の管轄で通常は平日の10時~15時までしか公開されていないのが、奈良国立博物館で正倉院展が開催されている間は毎日10時~16時まで公開されるからである。観光客が入らないよう一番前で写真を撮ろうとすると正倉院は以外に大きく28mmの広角でも建物がはみ出してしまう。観光客がいなくなることは少ないがはみ出ないように後ろに下がると建物の左端は樹木で隠れてしまう。もっと広角のカメラが欲しいと真剣に思う瞬間である。

上級者コースと中級者コースは若草山麓の手前で分かれ、上級者コースは若草山を左に見ながら春日大社へと向かうが、コース通りに行くと参拝どころかほとんど社も見えない。地図は複雑になるがここは参拝するコース取りにして欲しいと思う。この後ささやきの小径から志賀直哉旧居へと向かうが、春日大社の参道からささやきの小径へ入る所は狭くとてもわかりにくい。中級者コースをすでに回っているなら上級者コースは逆周りするのがいいのかもしれない。ささやきの小径は通称名で正式には春日大社の「下の禰宜道」である。静謐な春日原生林の中で愛をささやくには格好の道なのだろうか。なだらかな山の自然道で本コースのハイライトであることは間違いない。

最後は浮見堂から興福寺を経て近鉄奈良駅へと戻る。ただし興福寺は金堂の再建中でコース通りには歩けないので、今回は興福寺南円堂の前を通って北上しようとしたら、今度は国宝特別公開(通常は国宝館でガラス越しにしか見えない阿修羅像をはじめとする八部衆・十大弟子像を仮金堂で公開するとともに北円堂を開扉)で、北円堂から先には北上できなかった。しかたないので北円堂の手前で左折して東向通りから帰ったのであるが、猿沢池を1周して戻るコース設定にした方が本コースの趣旨に沿っているように思う。

2009年10月10日土曜日

歩く・なら「大津皇子が眠る二上山と葛城の里」

歩く・なら大津皇子が眠る二上山と葛城の里」を歩いた。二上山登山と當麻寺参拝に最古の官道である竹内街道を行く、自然を満喫するとともに歴史ロマンを存分に味わうことができる素晴らしいコースであった。


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コースのスタートは、JR香芝駅で、鹿嶋神社を抜けた後は国道165号を進む。国道165号はすぐ近鉄大阪線を越えるが越えた所に香芝市ふたかみ文化センターが(目玉は二上山博物館)ある。その後国道165号と別れを告げた後、今度は近鉄南大阪線を越えてしばらく行き、専称寺を抜けた後二上山上ノ池横登山口からいよいよ山道に入る。

山道に入るとすぐに藻が生い茂る池があった。写真には山影が写り込んでいるように見えるのが全て藻である。さすがに登山道はよく整備されており、余裕で登る人と下る人がすれ違うことができるし、この後しばらく渓流沿いに進むのだが心地よい水音だけでなく、こんな小滝流れが目も楽しませてくれるし、二上山線歩道道標二上山線歩道案内図もあるので、大津皇子墓まで道に迷うことはないだろう。

大津皇子墓から雄岳頂上はすぐで、雄岳頂上には葛木二上神社があり、その境内を通り抜けるしかコースを辿ることはできないのだが、そのためには美化保存協力金として200円が必要である。この後雌岳を目指す途中に馬の背があった。ここにはトイレだけでなく売店もあり周辺には登山客が多くいたのだが、ここに近畿自然歩道案内図もあった。

案内図を見て本コースはここから近畿自然歩道と同じ道であることがわかったのだが、ここでこの案内図をよく見てコースを確認していれば、本コースは雌岳山頂を通らないことが明白にわかったのだが見落としてしまった。本コースのマップを見ても雌岳山頂は通らないように見えるのだが、それがどこの道かがわからず馬の背から素直に歩くと雌岳山頂に出てしまうし、登山の常として頂上を極めなければ気が済まないのも心理である。

一度頂上に登って引き返せばよいと頂上に登るとそこからの見晴らしがこの登山の中で一番よかったし、かなりの広場にもなっていて登山客がもっとも多かった。本コースでもここを入れないはずはないと思いここから山を下ったのだが、それは間違いであることが祐泉寺まで降りて、近畿自然歩道案内図を見てわかった。しかし雌岳山頂から二上山線歩道道標までの下りは視界が開けていて今回の一番気分よく歩けたし、また當麻寺参詣道道標からしばらく行くとまた渓流沿いに進み、鹿威しのある水飲み場もあったので、コースを間違えてよかったと思うことにした。

山道は祐泉寺で終わり、ここからは葛城の里である。大龍寺の後近畿自然歩道道標があったし、鳥谷口古墳の後にも近畿自然歩道道標があったが、傘堂で一旦近畿自然歩道とはさよならである。この後歴史街道道標に當麻寺は右折するとの案内があるが本コースは次の歴史街道道標まで真っ直ぐ行った後右折する。この辺りまで来れば當麻寺の塔が見えるので迷った所でどうということもない。しばらく行くとまた近畿自然歩道道標がありまた近畿自然歩道と同じ道になっていたのだが、本コースは當麻寺黒門(北門)から當麻寺境内を行くのですぐに近畿自然歩道とは袂を分かつことになる。

本コースは當麻寺本堂で左折して東進し、當麻寺梵鐘(日本最古)を右手に見て當麻寺仁王門(東大門)から出た後すぐに、芭蕉の小径道標あるので、これを史跡の丘、竹内街道の方へ左折して南進する。史跡の丘総合解説板の目の前が国道166号で、竹内街道道標まで166号を行く方が分かりやすいのだが、国道166号は蛇行して遠回りなので近道をする。しかしこの近道はとてもコースとは思われないような非常に細い道で不安になるのだが、近道の途中で標識があるし、竹内街道にも標識があった。どうせなら近道の入口にも標識があれば迷わないのだが。

竹内街道は黄土色のアスファルトで舗装されており、街道沿いの民家も旧く風情があり、気分よく歩けるだろう。綿弓塚の隣には簡単な博物館もあり、竹内街道始点の標識も立派で観光に力を入れていることがわかる。その竹内街道始点を左折して200mほど北上すればゴールの近鉄磐城駅である。

二上山も當麻寺も竹内街道も素晴らしいのだが、二上山を降りる所を間違えたし、當麻寺周辺や竹内街道に入る所でかなり迷ってしまった。迷った所を思い出すと逆から辿れば結構迷わないのではないかと考えた所、二上山も當麻寺も竹内街道も全て通常とは逆に辿っているのではないかと思い立った。竹内街道の始点は道標の立派さから行っても近鉄磐城駅側だし、當麻寺も仁王門から参拝するのが普通だし、二上山でも葛城二上神社への美化保存協力金を支払うのは雌岳から登って来た人が雄岳山頂の手前で支払うのに対し、本コースで神社に参拝した後に美化保存協力金を支払うことになる。

コース設定としては体力のある前半に山登りをもってくるのが妥当だとは思うが、体力に自信があればコースを逆に辿ることをお薦めするというか、本コースは大変気に入ったので是非とももう一度逆向きに歩きたいと思う。