2010年7月31日土曜日

歩く・なら「戦国武将の夢の跡・大和郡山の三城めぐり」

歩く・なら戦国武将の夢の跡・大和郡山の三城めぐり」を歩いた。JR大和路線と近鉄橿原線は大和郡山市でクロスするが、本コースはそのJR大和路線を2度渡り、近鉄橿原線を2度潜り3度越えて、田園風景と養殖池の多い大和郡山の細かな道をうねうねと巡っていく。いつ道に迷わないかハラハラドキドキしたが、なんとかコース通りに歩くことができたと思う。戦国時代の歴史ロマンを堪能できるのはコース最後の郡山城跡だけであり、その他は迷路のようなコースを探すこと自体が宝探しをしているような気分を味わえるおもしろいコースであった。


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コースのスタートはJR大和小泉駅で、まずは小泉家にゆかりのある小泉神社小泉城跡金綸院を巡る。いずれも境内を抜けていくようにコース設定されており、マップでは凡例のマークが邪魔して入っていく道と出ていく道がわからないので、コース設定されている通りに歩くのに苦労する。しかしこの苦労がおもしろいと感じられればこのコースの価値が変わるだろう。

感動的だったのは金綸院の石段を登ったところが富雄川だったことだ。飛鳥葛城自転車道は富雄川沿いにコース設定されているので、ここから飛鳥葛城自転車道飛鳥葛城自転車道終点まで北上した後、富雄川を渡り東進する。片桐公民館の前を通った後の灌漑用水路沿いの畦道もおもしろかった。次の八幡神社跡地うしの宮の間にJR大和路線を越える。

この後もわかりにくい道を東進し、近鉄橿原線を近鉄筒井駅のすぐ北側を潜り(高架になっている)筒井順慶城跡を訪れるのだが、ここでは完全に道を間違えてしまった。
筒井順慶城跡小泉城跡よりは立派な史跡かと思っていたが、完全に逆であった。がっかりしたら確かにマップにも定石一個の写真が掲載されていた。この定石の南の民家のブロック塀にいた筒井順慶城跡見張り猫がとても悩ましい表情をしていた。この猫はひまさえあればブロック塀の上で見物客を見下ろしているのかもしれない。

この後、筒井順慶木造を安置している光専寺の前を通り順慶堤を越えていくが、あいかわらず戦国武将の歴史ロマンを感じなかった。堤は普通の川にしか見えないし、やはり石垣に濠がないと無理のようだ。この後はしばらく北上した後、豊浦八幡神社の手前で近鉄橿原線の西側に戻ってしばらく北上した所がJR大和路線近鉄橿原線交差である。JRがわかりにくいのでJR大和路線近鉄橿原線交差も撮影した。両者の電車が同時にこのポイントを通過したらおもしろい絵が撮れるだろう。

この後また近鉄橿原線を潜って郡山金魚卸売センターまで東進した後、今度は北上してJR大和路線を越える。この踏切から見るJR大和路線近鉄橿原線交差もおもしろい。ここまでは田園風景が多かったのが、この辺りからは金魚の街にふさわしく繁殖池ばかりが目立つようになる。この後西進してまた近鉄橿原線の西側に出る道についてマップにも「道細い足元注意」の表示が出ていたが、この時期草茫々で大変であった。特に踏切を越えた所がひどかった。

この後郡山金魚資料館&やまと錦魚園を遠目に見ながら北上すると、大和郡山市「街の道WALK」道標があった。ここで鋭角に曲がって西進すると新木山古墳があり、ここからは北上する。大納言塚は秀吉の異父弟の秀長公のお墓なので、お願いの砂を丁寧に参らせていただいた。ここまで来るとコースの終わりも見えてくるので、戦国武将の夢に思いを馳せる余裕も出てくる。

この後も永慶寺の東を北上するといよいよ本コースのハイライトである郡山城跡である。大和郡山市「街の道WALK」道標を東進し、奈良県立郡山高等学校正門から内掘を渡り、柳澤神社を参拝した後、郡山城跡天守台を目指す。あまり期待していなかったのが功を奏したのか、天主台からの眺めはなかなかのものである。この後一度柳澤神社に戻った後、追手門(梅林門)から郡山城跡を後にする。

この後最後にもう一度近鉄橿原線を越えるとまた大和郡山市「街の道WALK」道標があり、ゴールの近鉄郡山駅の前にももう一個大和郡山市「街の道WALK」道標があった。この郡山市街地では大和郡山市「街の道WALK」通りにコース設定されているようだ。この後ゴールの近鉄郡山駅からもう一つのオプションゴールであるJR郡山駅を目指してオプションコースを歩いたというのはうそで、ご存知のように奈良市中心部ではJRと近鉄の乗換駅がないため、スタートのJR大和小泉駅に向かうついでにオプションコースを歩いたのであった。

風情のある大和郡山市役所の前を通り、外堀緑地南門から外堀緑地北門を抜ける。えらく遠回りをするので不思議に思っていたら、遊歩道のある外堀緑地を歩くのだった。ウォーキングには最高の道なのに、マップに紹介がないのはおかしい。本コースは遠回りしているように見えて実はわざわざ遠回りする価値があるから遠回りしている部分が多くおもしろいコース設定となっている。

2010年7月24日土曜日

奈良ウォーキングマップ其の参 8.棚田広がる 米谷コース

奈良ウォーキングマップ其の参 8.棚田広がる 米谷コースを歩いた。名阪国道は天理東インターチェンジと高峰サービスエリア間で大きく蛇行しており、その蛇行している名阪国道に囲まれている米谷町と中畑町を本コースは巡る。高速道路を通る車の爆音で気持ちよく歩けないかと思ったが、爆音が気になるのは名阪国道のすぐそばを通る時だけであり、コースのほとんどで棚田の田園風景を楽しむか昼なお暗い涼しい山道を軽快に歩くことができた。名阪国道は高い位置にあり、その名阪国道を3度潜り1度越えるのでアップダウンの激しいコース設定なのだが、以外にも名阪国道近くの道が冒険心をくすぐるおもしろいコースであった。


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コースのスタートとゴールは米谷町バス停である。バスの本数は少ないので、車で行ってコース途中の高峰サービスエリアに駐車するのもいいだろうし、最初の目的地の中畑町バス停の間にある精華スポーツクラブの駐車場に停めるのもよいだろうと書こうとしていたら、がけ崩れによりバスは椿尾町までしか来ないと中畑町バス停に書いてあるのを見つけた。米谷町バス停は終点でバスがUターンできるよう広くなっていて駐車スペースが十二分にあるので、がけ崩れが修復されるまでは米谷町バス停に停めるのがベストである。

中畑町棚田から次の目的地の名阪国道陸橋までつらい登りである。しかし名阪国道陸橋に到る前に一度名阪国道の下のトンネルを潜るのだが、その名阪国道の外側の道が本コースのハイライトである。一応コンクリート舗装もしており車が通った後もあるのだが、よっぽどのことがない限り誰も通ってないのではないかと思える寂しい道で森林に囲まれた日影の道は小さな冒険をしているようでワクワクする。

名阪国道陸橋を渡ると登りよりもきつい下りでのんびりと棚田を楽しみながら歩くわけにはいかず、しっかり足に力を入れて踏ん張らなければならない。坂道を降り切った所に七曲り道ハイキングコース道標があった。この後も次の目的地の高峰サービスエリア道標まで登りである。名阪国道薬師橋の手前で軽快な爆音が聞こえてくると思ったらラジコンサーキットがあった。何もない所だと思っていたが、自然だけでなく人工物も色々と楽しませてくれる。

迷う程の道はないと気を抜いて歩いていると、寿福寺上之坊を過ぎた所でマップ上のどこを歩いているかわからなくなってしまった。七曲り道ハイキングコース道標の通りに進んで事なきを得たが、その道標は一周するコースの中で往きと帰りのコースが一番近づく地点であった。

名阪国道下トンネルで七曲り道ハイキングコースからはずれて名阪国道の外側にほんの少しの間だが名阪国道の外に出て、再び高峰サービスエリア道標で、七曲り道ハイキングコースに戻る。わざわざ七曲り道ハイキングコースからはずれることもないと思ったのだが、この名阪国道下トンネルは水漏れをしておりアドベンチャー気分を味わえる。高峰サービスエリアを過ぎた直ぐの七曲り道ハイキングコース道標で七曲り道ハイキングコースとは別れてほとんど道を折り返す。

この後、平らな日影の山道も少しあり暑さをしのげるが、ほとんどは熱い坂道を下っていき最後の目的地は白山比咩神社である。白山比咩神社道標の前をそのまま通り過ぎてあっさり終わりかと思っていたら、コースは白山比咩神社の境内を抜けて行くよう設定されていた。参詣道は昼なお暗い細い道であるし、参拝した後も急な階段を意外な方向に降りるし、なかなか最後まで楽しませてくれる。

階段を降りた所から米谷町バス停への道は、奈良市土地改良清美事務所が管轄している一般廃棄物の最終処分場へ通じる道で、米谷町バス停側から見ると立ち入り禁止の表示があり、道は閉鎖されていた。事務所の駐車場の側のアコーディオンゲートの方には人がすり抜けるスペースがあったので引き返さなくてよかったのだが、奈良市が閉鎖することがある道をコースにするのはまずいのでは。

2010年7月17日土曜日

歩く・なら「うるわしき葛城の古代風景・秋津州古墳の道」

歩く・ならうるわしき葛城の古代風景・秋津州古墳の道」を歩いた。雄大な葛城山を見ながら、日本書記や古事記に本州の古名として登場する秋津州と同じ地名を冠せられた古道を歩くのは実に爽快である。コースのほとんどは御所市秋津州の道であり、コース名の通り大和朝廷以前の古代古墳を巡る。御所市秋津州の道は御所市内を一周するコース設定になっているが、本コースは丘陵を越えて高市郡高取町の古墳も訪れるなど変化に富んだ道を歩くことができる。


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コースのスタートは近鉄御所駅で、駅前の24号線を400~500m南下した左手に最初の目的地の鴨都波神社がある。その境内を抜けて行くと鴨都波神社鳥居の前に秋津州の道道標があった。掖上鑵子塚古墳までは本コースの要所要所にこの道標があった。この後雄大な葛城山を右手に見ながら田園風景を南下するのが本コースのハイライトであり、途中2番目の目的地である野口神社がある。野口神社のある蛇穴は安珍・清姫伝説に似た話がこの地にあったことを示していて興味深い。

次の目的地の宮山古墳を探すのには苦労した。寶國寺桜田池公園の辺りにあるのかと思ったら、その先の八幡神社の境内から登るのだった。古墳の位置だけ示されてもその登り口がどこかを示してもらわないと訪れるのは困難だ。不思議な形の埴輪が飾られており見逃せないし、この辺りは細かい道を縫うように行く所なのでマップには是非とも拡大図を入れて欲しい所だ。

寶國寺を過ぎてからは概ね東進するのだが、この後の目的地もみやす塚古墳条池北古墳・条池南古墳條ウル神古墳と古墳巡りである。その次の目的地の日本武尊白鳥陵には何かあるかと期待していのだが、いつもの通り宮内庁が所管している立札がある他の天皇陵と変わりがないのでがっかりしたのだが、掖上鑵子塚古墳は見事に杉の木が前方後円墳の後円を形成しているのに感激した。

この後御所市秋津州の道は御所市中心部に戻るのだが、その道についてはマップにオプションコースとして紹介されているようだ。その分岐点から本コースは丘陵に入りかすかな登り道となる。ここからは雄大な葛城山を望む田園風景とは別れを告げ、静かな山あいの道を行く。丘陵を降りた所には三光丸クスリ資料館があった。御所市道標の後すぐJR和歌山線をくぐり500~600m行くと、いよいよ高取町に入り、近鉄吉野線が見える。

この後近鉄吉野線沿いに東進し、最後の目的地である市尾宮塚古墳市尾墓山古墳を訪れる。ゴールの近鉄市尾駅は二つの古墳の間にあるので、市尾墓山古墳を訪れた後はUターンしてゴールすることになる。歩く・なら「橿原・明日香 明日香・藤原京へと都の歩みをたどる」(橿原コース)も古墳が多いコースであったが、本コースは全編古墳巡りであり、この辺りは本当に古墳が多い。日本武尊が詠んだ通り、真に「やまとは 国のまほろば たたなづく 青垣 山ごもれる やまとしうるわし」である。

2010年7月10日土曜日

奈良ウォーキングマップ其の参 2.手始め奈良めぐり 西大寺・大宮コース

奈良ウォーキングマップ其の参 2.手始め奈良めぐり 西大寺・大宮コースを歩いた。近鉄新大宮駅をスタートして、近鉄大和西大寺駅へゴールするなら、歩く・なら「佐紀路・西ノ京 佐紀盾列古墳群と西ノ京の国宝探訪」(佐紀路コース)のように北回りのコースを思い出すが、本コースは南回りのコースである。佐保川と秋篠川沿いのウォーキングを楽しむ道だけでなく、阪奈道路と近鉄橿原線が交差する辺りの迷路のような道は冒険心をくすぐり、奈良めぐりの手始めではなく、かなりマニアックなおもしろいコースである。


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コースの出だしは奈良ウォーキングマップ⑨佐保川まなびやコースと同様に近鉄新大宮駅をスタートして佐保川を南下する。奈良ウォーキングマップ⑨佐保川まなびやコースでは車道の西岸を通るのに対し、本コースは東岸を歩く。特に高橋からは車が入って来ない未舗装の道が最初の目的地の奈良県立図書情報館まで続き、本コースのハイライトである。途中三笠中学校横のように水遊びも可能である。

次に奈良県立図書情報館の庭園を西にぬけて秋篠川に向かうが、この西に向かう道がつまらない市街地かと思っていたが、都跡中学校辺りからは田園風景だったので心がなごんだ。秋篠川の渡った所に新しい秋篠川周遊案内図があり秋篠川の西岸をコースにしていたが、本コースは東岸の奈良自転車道都跡小学校まで北上する。

この後次の目的地の菅原はにわ窯公園までの道が田舎の畦道ありの都会の間道ありのはっきり言うとわかりにくい道なのだが、わかりにくいからおもしろいとも言える。浮き草で一面緑の長池の回りは細いくねくねした道だし、近鉄西大寺検車区では、近鉄橿原線を阪奈道路と共に越えていく正に迷路であり、裏のハイライトとでも言うべきだろうか。

次の目的地の菅原天満宮と次の次の目的地の喜光寺へは菅原天満宮遺跡天神堀を基点として同じ道を往復する。マップ通り行くと喜光寺の北側に出て入ることができない。参拝するには平城遷都1300年祭に合わせて再建した南大門から参拝料を納めて入場しなければならない。

再び菅原天満宮遺跡天神堀へ戻ってから、最後の目的地の西大寺へは真っ直ぐに北上するのではなく、東西に流れる二つの川を行きつ戻りつする。西大寺の東側の道を北上し終わったらゴールの近鉄大和西大寺駅は目の前である。