2010年7月17日土曜日

歩く・なら「うるわしき葛城の古代風景・秋津州古墳の道」

歩く・ならうるわしき葛城の古代風景・秋津州古墳の道」を歩いた。雄大な葛城山を見ながら、日本書記や古事記に本州の古名として登場する秋津州と同じ地名を冠せられた古道を歩くのは実に爽快である。コースのほとんどは御所市秋津州の道であり、コース名の通り大和朝廷以前の古代古墳を巡る。御所市秋津州の道は御所市内を一周するコース設定になっているが、本コースは丘陵を越えて高市郡高取町の古墳も訪れるなど変化に富んだ道を歩くことができる。


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コースのスタートは近鉄御所駅で、駅前の24号線を400~500m南下した左手に最初の目的地の鴨都波神社がある。その境内を抜けて行くと鴨都波神社鳥居の前に秋津州の道道標があった。掖上鑵子塚古墳までは本コースの要所要所にこの道標があった。この後雄大な葛城山を右手に見ながら田園風景を南下するのが本コースのハイライトであり、途中2番目の目的地である野口神社がある。野口神社のある蛇穴は安珍・清姫伝説に似た話がこの地にあったことを示していて興味深い。

次の目的地の宮山古墳を探すのには苦労した。寶國寺桜田池公園の辺りにあるのかと思ったら、その先の八幡神社の境内から登るのだった。古墳の位置だけ示されてもその登り口がどこかを示してもらわないと訪れるのは困難だ。不思議な形の埴輪が飾られており見逃せないし、この辺りは細かい道を縫うように行く所なのでマップには是非とも拡大図を入れて欲しい所だ。

寶國寺を過ぎてからは概ね東進するのだが、この後の目的地もみやす塚古墳条池北古墳・条池南古墳條ウル神古墳と古墳巡りである。その次の目的地の日本武尊白鳥陵には何かあるかと期待していのだが、いつもの通り宮内庁が所管している立札がある他の天皇陵と変わりがないのでがっかりしたのだが、掖上鑵子塚古墳は見事に杉の木が前方後円墳の後円を形成しているのに感激した。

この後御所市秋津州の道は御所市中心部に戻るのだが、その道についてはマップにオプションコースとして紹介されているようだ。その分岐点から本コースは丘陵に入りかすかな登り道となる。ここからは雄大な葛城山を望む田園風景とは別れを告げ、静かな山あいの道を行く。丘陵を降りた所には三光丸クスリ資料館があった。御所市道標の後すぐJR和歌山線をくぐり500~600m行くと、いよいよ高取町に入り、近鉄吉野線が見える。

この後近鉄吉野線沿いに東進し、最後の目的地である市尾宮塚古墳市尾墓山古墳を訪れる。ゴールの近鉄市尾駅は二つの古墳の間にあるので、市尾墓山古墳を訪れた後はUターンしてゴールすることになる。歩く・なら「橿原・明日香 明日香・藤原京へと都の歩みをたどる」(橿原コース)も古墳が多いコースであったが、本コースは全編古墳巡りであり、この辺りは本当に古墳が多い。日本武尊が詠んだ通り、真に「やまとは 国のまほろば たたなづく 青垣 山ごもれる やまとしうるわし」である。