2009年6月27日土曜日

奈良ウォーキングマップ其の弐 3.麗しの茶畑田原コース

奈良ウォーキングマップ其の弐 3.麗しの茶畑田原コースを歩いた。奈良県が誇る河瀬直美監督が第60回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「殯の森」で有名となった田原である。映画を見ている時は奈良市内とはとても思えない素晴らしい茶畑の絶景であった。その素晴らしい絶景の茶畑こそどこかはわからなかったが存分に美しい茶畑を満喫することができた。


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コースのスタートはバス停「茗荷」食べ物のあの「みょうが」である。写真の通りバスの本数は寂しい。ゴールのバス停「田原横田」にJAならけん田原支店が写っているが、支店はバス停「茗荷」近くに移っており、新支店の駐車場はかなり広いので気兼ねなく利用できるが、バス停「茗荷」バス停「田原横田」のちょうど中間点にある奈良市の田原連絡所の方がさらに気兼ねなく利用できるだろう。

コースの最初の目的地は、松本邸である。マップでも紹介されている田原やま里博物館の一つである。バス停「茗荷」に写っている田原ブルーベリー園も田原やま里博物館の一つであった。この後少し歩くと遠くの丘に大きな茶畑が望め、また少し歩くと見事に鮮やかな緑の茶畑が近くに見えた。

次の目的地の天満神社を過ぎると小川のせせらぎがすごく心地よい。静かなのでのんびり歩いてじっくりと風景を味わいたいところだが、この後結構な登りとなりしばらくはのんびりとではなく気合を入れて歩く必要があった。山を登りきった後は高台のように平坦な道で変わった建物が目についたが、田原やま里博物館の一つである遊茶庵であった。

次の目的地の天神社の後、右手は山だが左手が野原になっている自然豊かな道を通るが、そこでは花一杯の野原の向こうの丘に茶畑が望めたし、その後すぐ道の右側に茶畑があり、茶畑を間近に見ることができた。茶畑を間近に見るのはここだけだと困るのでシャッターを切ったのだが、全くの杞憂であった。

次の目的地は県道183号を越えた今井堂天満神社だが、鳥居や社殿より社務所の方がとっても情緒ある風情に見えたのでこちらを撮ってしまった。次の光仁天皇陵に向かう途中にこれも田原やま里博物館の一つである田原東雲共同製茶工場の裏に素晴らしい茶畑を間近に望めたので、これが茶畑として圧巻かと思ったのだがそうではなかった。

最後の目的地の太安万侶の墓は、マップに急斜面の坂を登ると紹介されているが、その坂道の両側にも茶畑が広がっていた。この坂道は本当に急で茶摘は大変だなと思いながら、この坂道が本コースのハイライトかなと思ったのだが、さらに期待はいい意味で裏切られた。その坂道は途中から3つのコースに分かれているが、一番ゆるい左側へ折れる道を行くと太安万侶の墓である。茶畑で農作業をしていて偶然にも見つかったが、それが古事記編集者の太安万侶であるのもおもしろいし、墓の形も斜面に円形に造られているのもおもしろい。Googleマップに旧所名跡として掲載されているだけのことはある。

太安万侶の墓は行き止りなので、今度は急な斜面を降りなくてはならない。2番目に急な坂を降りていたのだが、本当にあぶないので足元ばかり見ていたのだが、途中でふと下を見下ろすと素晴らしい茶畑の絶景であった。慌ててもう一度坂を登って写真を撮った。高い所に登ったら必ず下を見下ろさなくてはもったいないと反省した次第だ。その後1番急な坂道を降りたが、ここには手すりが用意してある。確かに手すりがないとあぶなくてしょうがない。手が汚れるのでいやだなと思うような手すりであるが、とても我慢できなかった。降りたところにはきれいな手洗いがあるので、こちらで手を洗えば問題ない。最近できたようで何とも心憎い気配りである。

この後コースはその絶景の茶畑の中を歩いていくのだが、その道がとてもわかりにくい。しかし最後に茶畑の中を抜けていくのはとてもいいコース取りだと思う。その絶景の茶畑を抜けた後しばらく山道となり、その山道を下りた所も茶畑でちょうど茶摘をしていた。茶摘は手でもぎとるものとばかり思っていたが、それではとても追いつかない。機械で刈り取るのだがこれもかなりの力仕事で大変そうだ。茶の上を刈り取り機をすべらせていくが、お茶の両側から二人がかりでその機械を持つ形になる。機械に扇風機が内蔵されているようで、刈り取ったお茶葉はそのまま刈り取り機の後ろに備えられた袋に入っていくのだが、刈り取りが進むにつれて重くなっていくし、その袋も2mぐらいあるようなので最後は相当な重さになるのではと感じた。

サブタイトルに麗しの茶畑とつけられているが、茶畑がそんなにきれいなものだとは思っていなかった。しかしそれは全くの誤解であり、初夏の茶畑は本当に美しかった。その緑は新茶の頃よりももっと色濃く鮮やかなのではないだろうか。麗しの茶畑を堪能することで充足感を得ることができる素晴らしいコースである。

2009年6月20日土曜日

奈良ウォーキングマップ其の弐 8.唐招提寺からはじまるのんびり京終コース

奈良ウォーキングマップ其の弐 8.唐招提寺からはじまるのんびり京終コースを歩いた。平城京の西の口から東の果てまでを歩き平城京の大きさを体感できる。コースの大半が岩井川沿いであり、特にコースの後半ではのんびりと岩井川沿いを歩くことができるだろう。


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コースのスタートは唐招提寺である。奈良ウォーキングマップのスタートは駅とかバス停になっていてどう行くのか明示されているのが普通なのだが、いきなり旧跡から始まるのはこれだけである。なぜ近鉄西ノ京駅をスタートにしなかったのか不思議だ。マップにも西ノ京から京終までの京結びのコースと紹介されており、スタートは近鉄西ノ京駅の方がすっきりするのにと思う。どうしても唐招提寺からはじまるをコースのサブタイトルに入れたかったのだろうか。それとも奈良ウォーキングマップ其の弐にはサブタイトルが入るのだが、いいサブタイトルがなかったのかと勘ぐってしまう。
「平城京の大きさ体感」のんびり西ノ京・京終コースでどうだろうか。

コースの最初は西ノ京のメインストリートで薬師寺へと向かう。いつもなら観光客が多く行き来するメインストリートに、豚インフルエンザの影響だろうか、行き来する人は少なく、特に薬師寺の山門前に人っ子一人いなかったのには驚いた。この後秋篠川までは、奈良歴史の道と同じコースであるが、奈良歴史の道は秋篠川を少し南下するのに対し、本コースは南下せずに西進を続け、奈良朱雀高校を通り抜けてから、南下して柏木公園に向かう。

柏木公園の南から本コースはJR桜井線を越えるまで川沿いを歩くことになる。柏木公園の南から佐保川まではほんの少しなので名もないどぶ川かもしれない。その後佐保川をわずかに上った後岩井川沿いに西進するのだが、この辺りの岩井川は真っ直ぐ西に流れていて道幅も広く、東風が吹くとさえぎるものがなにもない。実際かなり風が強くて力を入れて歩かなければならず、とてものんびりとは歩けなかった。奈良市南部生涯スポーツセンターを抜けて、岩井川五重橋緑地からは状況が一変する。岩井川五重橋緑地は公園ではなく、岩井川沿いの桜並木で、並木道に併設する道もここからは道幅狭いので車が入ってこれない。この辺りが本当にのんびり歩ける本コースのハイライトである。

奈良歴史の道はどこでJR桜井線を越えるのか、その辺りに道標がなく市内観光マップによると踏切がない所を横断するようになるのでおかしいと感じていたが、本コースを歩いて奈良歴史の道道標ではないかと思われる道標を見つけた。本コースの道でJR桜井線を越えるのなら何も文句はなく市内観光マップの精度が悪いと納得するのだが、残念なことに見つけた道標に書かれていた文字は跡形もなくなくなっていた。

ゴールのJR京終駅は、奈良ウォーキングマップに数多く登場する。平城京の南端に位置し、ここで平城京が果てるので「きょうばて」と名前がついたと、NHKの「にっぽん木造駅舎の旅」で紹介されていた。色に幻惑されてとても築110年以上も経っているとは感じなかったのだが、ピンクの駅舎は明治31年(1898年)開業当時のものであり、歴史ある奈良のウォーキングマップのスタートゴールに最もふさわしい駅である。

2009年6月13日土曜日

奈良ウォーキングマップ其の弐 2.広大自然豊かな京終・帯解コース

奈良ウォーキングマップ其の弐 2.広大自然豊かな京終・帯解コースを歩いた。マップの印象とは違ってかなり山道もあり、広大かどうかは疑問が残るが確かにのどかな田園や山里の風景を楽しみ自然を満喫することができる。奈良ウォーキングマップ⑪柳生剣豪ゆかりの地コースと同様に、コースの半分以上を東海自然歩道と共有するのだが、国(環境庁)がやっているとはいえよくこんな道を東京から大阪までつなげたものだと感心する。


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コースのスタートはJR京終駅で、コースの前半は奈良ウォーキングマップ⑥ならまち散策コースの前半と全く同じ奈良歴史の道なので、そちらを参照して欲しい。奈良歴史の道とは奈良県立高円高等学校で別れを告げるが、奈良県立高円高等学校を境に風景は一転する。奈良県立高円高等学校の北と南では空気が違うと感じるほど、簡単に言えば南では田舎のにおいがする。これはとてもいいコースではないかと胸に期待が膨らむような山里の風景である。最初の目的地である八阪神社の手前は完全に山道であった。このまま帯解近くまでずっと山道かと思ったのだが、そうではなかった。

マップには東海自然歩道の道標のある場所を、東海自然歩道に入る所ととてもわかりにくい自衛隊藤原宿舎の辺りだけを星印で記しているが、もちろん道標はこれだけでは歩道を辿れるはずもなくもっと多くの道標がある。見つけた道標は全て写真に撮ったのだが、もっとも見つけにくいのはこちらの道標である。山の辺の道の道標が見えたので左に曲がるのだろうとはわかったが、これでは道標の役目を果たさないし、コースを逆から辿ってきた人は間違いなくこの細い山道を見過ごしてそのまま道なりに車道を歩いて迷ってしまうだろう。

東海自然歩道はどこもとてもいいのだが、特にこの道標辺りの小川沿いの道が一番よかった。やはり川のせせらぎの音は格別である。コースの次の目的地は嶋田神社であるが、その手前に白山比咩神社があった。こちらのほうが立派に見え、なぜコースの目的地に入れないかと思うほど小奇麗な神社である。

次の崇道天皇陵奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コースでも訪ねた場所である。その時に東海自然歩道の道標はいつもいっぱいあるのにこの道標だけしかないのは疑問に思ったのだが、奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コースは東海自然歩道を本当にかすめただけであることがよくわかった。この後のどかな帯解の田園の中を歩くが、本コースは舗装された車道を歩くのに対し、奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コースは舗装されていない農道をのんびり歩くことができる。もちろん歩くには農道の方が断然いい。

最後に帯解寺を訪ねて、ゴールがJR帯解駅となるのは、奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コースと全く同じである。総じて奈良ウォーキングマップ其の弐の方が、コース設定もこなれてきたのかユニークな変化に富んだコースが多いのだろうか。本コースもJR京終駅からJR帯解駅までの間の東海自然歩道を歩くおもしろいコース設定である。

2009年6月6日土曜日

奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コース

奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コースを歩いた。ちょうど田植えの時期であり、田に水を入れるため用水路を流れる水量が多く、その水の流れる音が実に心地よかった。


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コースのスタートとゴールはJR帯解駅である。マップには最初の目的地である崇道天皇陵へ向かう道に「農道です」で書かれているが、その農道こそが本コースの名前の通り、正に田園の中を歩くことになる。週末に作業を行う兼業農家の方が多いのだろう、田に水を入れる作業に追われる人が多く、田植えを終わった田んぼは少なかった。田んぼに水を入れる音だけではなく、何の鳥かはわからないが道の両側のすぐ近くからステレオで鳥の鳴き声がしてくるのが実に気持ちよい。

田園の中を歩いているときは、そうでもなかったが田園を抜けて県道188号を北上しているときは、県道188号は少し高いところから田園を見下ろすので、のどかな田園風景だと感じることができた。崇道天皇陵は県道188号を右折して東進しなければならないが、その道の入り口には東海自然歩道道標があった。本コースを歩いていて道標はこれしか見つけることはできなかった。奈良ウォーキングマップ⑪柳生剣豪ゆかりの地コースでは、標識はいたる所にあったので1個しか見なかったのは不思議だ。標識の向こうにあるのは、奈良市が立てている奈良奥山ハイキングコースの標識である。コースを設定されたのが古いのだろう、奈良市ホームページでキーワード検索しても何も情報がない。本コースでは歩かないが次の円照寺よりもっと山奥を歩くコースのようである。JR帯解駅の前に帯解付近観光案内図があったが、正暦寺に向かう道がハイキングコースと書かれている。

マップには崇道天皇陵から円照寺へ向かう道を「山道です」と書いてある、前池の前の道は山道ではないが、普通に歩いていたら絶対に道ではないと思うような道であるし、前池の向こうに山道があるとも絶対思わないだろう。この道はほとんど人通りがないので、夏は草取りしないととても歩けない道になってしまいそうである。山道を降りた後円照寺の参詣道を歩くのであるが、しばらく行くと崇道天皇陵への山道の入り口を案内する道標があり、こちらの方がメインの山道なのではと思った。

円照寺は来る者を拒むめずらしい寺で、参拝はできないどころか本堂がどこにあるかもわからなかった。au災害地ナビあしあとデータをGoogleマップに貼り付けてやっとわかったが、立ち入りできる社務所の裏に本堂はあるようだ。参詣道は鳥の鳴き声しかせず静寂で砂利を踏む音が妙に耳に突き刺さり、由緒正しい寺社であることをうかがわせる。本コースの主役はのどかな田んぼ道なのだが、本コースの圧巻はこの参詣道かもしれない。

この後県道188号沿いに帰るのだが、もう少し田園風景を楽しめるコース取りはできなかったかと思うほどこの県道188号沿いの道は退屈である。コースの最後が帯解寺で、帯解の帯はもちろん妊婦帯のことで安産祈願のお寺である。日本最古の安産祈願のお寺で美智子皇后もかつてご祈祷されており、人気は高く週末は参拝者が絶えない。近鉄からJRへの乗換は不便なので、近鉄沿線の人は駐車場を完備している帯解寺の駐車場を利用するのも手であるが、おすすめは近鉄の最寄り駅から次の最寄り駅まで歩くのがおすすめだ。近鉄の最寄り駅は近鉄郡山駅で帯解駅までは約4Kmで、次の最寄り駅は近鉄奈良駅で、帯解駅から約4.5Kmである。帯解寺の前の道を真っ直ぐ北上すると、奈良ウォーキングマップ⑥ならまち散策コースのメインであるならまちに出るので、ならまちを歩くこともできる。