2011年1月29日土曜日

歩く・なら「 卑弥呼はここにいたか?・ 纒向遺跡を歩く」

歩く・なら卑弥呼はここにいたか?・ 纒向遺跡を歩く」を歩いた。本コースで訪れる古墳のほとんどは歩く・なら「山の辺の道 天理・桜井 街道がつなぐ古墳と国宝」(桜井コース)で歩いていたが、昨今新聞をにぎわしている纒向古墳群を訪ねるのは初めてである。確かに古代日本の礎を築いたにふさわしい豊かな田園風景が広がっていて、卑弥呼に想いを馳せながらウォーキングを楽しむのもおもしろい。特に本コースの景行天皇陵へ向かう道は小川が流れていて最高だ。


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本コースのスタートはJR巻向駅で、まずは纒向遺跡群の東田大塚古墳纒向矢塚古墳纒向勝山古墳纒向石塚古墳を訪れるため、一度西へ向かった後反転しJR桜井線を東へ越えて相撲神社鳥居から、垂仁天皇纒向珠城宮跡へ向かう

ここからが本コースのハイライトであり、珠城山古墳群を登り古の宮跡の眺望を楽しんだ後、景行天皇陵を目指す。冒頭にも書いたが、この道がウォーキングには最高でこの辺りが纒向遺跡後期の中心で本当にいい所だ。この後山の辺の道をしばらく南下するのだが、額田王歌碑では後ろの三輪山が神にふさわしい遠望を魅せてくれる。

歴史街道 桜井市周辺ご案内の後、山の辺の道とは森岡観光果樹園で別れを告げるが、歴史街道 大和・山の辺探訪物語も整備されており、道に迷うことはないだろう。しかしマップは上半分にしかコースは描かれておらず非常にもったいない。縮尺を2倍にしてもう少し詳細な地図にして欲しい。

次は、宮内庁では第7代孝霊天皇の皇女、倭迹迹日百襲姫命大市墓(やまとととひももそひめのみことおおいちのはか)として管理されているが、元々は卑弥呼の墓ではないかと言われている箸墓古墳を半周するのだが、こちらはまたJR桜井線の西側にあり、国道169号に併設されている歩道橋で越えることになる。そして次のホケノ山古墳は東側にあるので三度のJR桜井線越えだ。

この後茅原大墓古墳へ南下しそのまま富士神社厳島神社神御前神社へと本コースには珍しく真っ直ぐ南下した後、また桜井市立埋蔵文化財センターを訪れるためJR桜井線を西へ越える。その後またまた反転して大神神社大鳥居の威容を楽しんだ後JR三輪駅へとゴールする。JR桜井線を4度も越えてスタートとゴールを含めると都合6度JR桜井線を拝むことになるのだが、一駅分しか歩いていないのがおもしろい。

2011年1月22日土曜日

生駒の散歩道「矢田山 遊びの森コース」

生駒の散歩道矢田山 遊びの森コース」を歩いた。生駒の散歩道「暗峠コース」の続きを歩いているようでその昔奈良街道と呼ばれた国道308号を辿って矢田丘陵を登る。生駒の散歩道「暗峠コース」と同様国道の名に恥じない広い二車線道路はごくわずかで車がすれ違うのも大変な細い道路が続く。生駒市は矢田山遊びの森の手前で終わるので本コースのマップには市境で終わる2.5Kmのショートコースとなっている。そこからは矢田山遊びの森ハイキングマップ(近鉄 南生駒駅~矢田東山バス停)通りに歩こうと思っていたが、あまりに国道308号がおもしろくどこをどんな風に通っているか確かめたくなり結局近鉄尼ヶ辻駅まで国道308号を踏破してしまった。国道故に酷道と揶揄されることもあるが、難波と大和をつないだ街道に思いを馳せるには立派な二車線道路の歩道を歩くより随分と興趣が上がるというものである。


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コースのスタートは生駒の散歩道「暗峠コース」と同じ近鉄南生駒駅で駅前を竜田川沿いに南北に通る道は今も国道168号であり、生駒の散歩道「暗峠コース」で竜田川を渡った橋は国道168号と国道308号が共有する橋だった。今回はその橋を渡らずすぐに矢田丘陵を登るべく東に道をとるが、標識もないので言われなければ国道とは思わない狭い生活道路である。

この辺りも開発が進み住宅街となっているがすぐに登り坂となり特に大瀬ふれあい公園の手前は急坂で体力を消耗する。せっかく登ったのに次は南北に通る広い車道へ降りることになり、そこには矢田山遊びの森案内図があった。この広い車道を矢田山遊びの森標識まで南下した後、進路を東に戻すため左折する。そこから最初で最後の目的地である歓喜乃湯 足湯までの道は広い二車線の歩道のある立派な道であり、一度大きく北へカーブを切った辺りから西への視界を遮るものが全くなく生駒山まで素晴らしい眺望を満喫できる、歓喜乃湯 足湯ともどもコースのハイライトである。

この後すぐ細く険しい道となり、分岐のある矢田丘陵遊歩道道標辺りが市境で本コースのゴールで、次の矢田丘陵遊歩道道標までは大和郡山市だがすぐに奈良市に入る。次の郡山警察犬訓練所矢田山遊びの森入口看板は大和郡山市だが国道308号は奈良市を通っているようで、そこからしばらく行くと見覚えのある矢田丘陵遊歩道道標に出た。歩く・なら「世界遺産へとつづく自然と歴史の回廊・矢田丘陵と斑鳩の里」で歩いた道である。それなら次は追分本陣村井家住宅があるので追分は奈良街道にあったのだと納得したところで、この道が国道だったとは露知らずである。

この後第二阪奈の南側を奈良ウォーキングマップ其の弐 6.梅香る追分梅林コースで歩いた道が国道308号だと思っていたら、国道308号は奈良市水道局大和田配水池を周って第二阪奈を越えるのだった。道はカーブしていてすぐに行き止まりになりとても阪奈道路を渡る橋に繋っているようには見えない道で、国道308号は本当におもしろい。この後しばらく下り坂となり降りた所の第二阪奈有料道路中町ランプ近辺は完全に農道の雰囲気である。

農道はそんなに続くはずもなくすぐに砂茶屋バス停があるが、こちらは近鉄富雄駅行きで1時間に1本の本数しかなく、その後すぐに近鉄学園前駅行きのある熊取バス停も同様の本数なので、バスの時間が合わなければすこし遠くなるが東坂バス停まで歩けばバスの待ち時間については問題はなくなるだろう。

ここからバスに乗るつもりは全くないので自宅最寄の近鉄学園駅前まで歩こうかと思ったが、距離的には変わりがないのでそのまま国道308号を近鉄尼ヶ辻駅まで歩いた。近鉄南生駒駅からは9Km未満でほどよい距離となった。ここから先落ち着いた味わいのある宝来町新池や懐かしい奈良市歴史の道道標があるが、宝来町で第二阪奈は終点で阪奈道路に合流するため、ここから国道308号は阪奈道路の裏道に当たり道が細い割には交通量が多くウォーキングには適さない。第二阪奈が国道24号まであればいいのにと思う。

2011年1月15日土曜日

歩く・なら「古の歴史と文化の香る町・安堵町ウォーキング」

歩く・なら古の歴史と文化の香る町・安堵町ウォーキング」を歩いた。コース名通りの旧所名跡に加え現代的な公園まで遺跡に造られていて見所満載であるし、ほとんどが交通量の少ない歩きやすい道でウォーキングも楽しめるだろう。安堵町を中心に西の斑鳩町から東の大和郡山市へ歩くのだが、真っ直ぐ東に向かう道は少なく一度北東に歩いた後次は南東に向かい最後にもう一度北東に歩く。東西や南北方向に向かう道が多い中これほど斜めに歩くのはコース的にもおもしろい。


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コースのスタートはJR法隆寺駅でまずはJR大和路線をくぐるが、この辺りは富雄川安富橋付近の工事のため富雄川沿いに設定されている飛鳥葛城自転車道の迂回路になっているので、自転車道道標通りに歩けばよい。自転車道の工事はもう終わっており後は河川工事が終わるのを待つばかりのようである。富雄川安富橋から上宮遺跡公園までは富雄川沿いの飛鳥葛城自転車道を歩くが、成福寺を訪れるため上宮遺跡公園の手前で富雄川土手を西へ降りる。

上宮遺跡公園を楽しんだ後、平安のプレーボーイである在原業平のゆかりの新業平橋で富雄川を渡り、再びJRを横切るJR大和路線踏切から飽波神社までは太子道(筋違道)を歩く。ここから安堵町中心部の極楽寺までが本コースのハイライトである。歩く・なら「斑鳩から飛鳥へ聖徳太子の往来道・太子道(筋違道)」法隆寺前バス停~近鉄黒田駅を歩いた時は細い道で大いに迷ったが、太子道道標を安堵町が整備しているので難なく歩けるだろう。

ハイライトはわずか1km余りなのだがその他にも善照寺広峰神社八王子神社安堵町歴史民族資料館富本憲吉記念館と見所が目白押しだし、ハイライト後もゴールの近鉄平端駅まで、大変保存状態のよい中世の二重環濠住居の中家住宅や、聖徳太子ゆかりの額安寺、鎌倉時代に瓦を焼いた額田部窯跡、通称「鎌倉墓」と言われる額安寺五輪塔と見所が続く。

2011年1月8日土曜日

奈良を歩く ゆきめぐり「芸術の香りが漂う高畑から古刹を訪ねる」

奈良を歩く ゆきめぐり芸術の香りが漂う高畑から古刹を訪ねる」を歩いた。歩く・なら「奈良公園周辺 奈良の神社仏閣、国宝満載」(新薬師寺コース)の3分の1を切り取ったようなショートコースであるが、奈良公園は奥が深くまだ訪ねたことがない重要ポイントがあった。最後に訪れる白毫寺の裏は「歴史の道」で何度も歩いているのだが、参拝するのは初めてである。コースタイトル通りの古刹名刹の上に奈良市街から生駒山系から葛城山系まで一望できるのは素晴らしい。「花のお寺」の別名もあり季節を選べばもっと楽しめるのだろう。


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コースのスタートは広大な芝生に鹿が群れる飛火野にある春日大社表参道バス停で、苑萬葉植物園まで表参道を歩いた後、右へ参道をはずれると1番目の目的地の鹿苑であった。鹿の角きりはいつもニュースで流れるのだが、春日大社表参道のこんな近くに立派な観客席まであるとは全く知らなかった。日時を選べば勇壮な伝統行事を楽しめるようだ。

今回のコースは春日大社を参拝せず、二之鳥居の手前で右折して、次の目的地のささやきの小径(下の禰宜道)からその次の目的地の志賀直哉旧居を目指す。本当に静かでその静寂を破らないようにささやくように話したくなるからこんなしゃれた名前がついたのだろうか。本コースのハイライトだけでなく奈良公園全体でも屈指の散歩道である。

この後天平のスーパーレディである光明皇后が夫の聖武天皇の病気平癒を祈願して建立されたと伝わる次の目的地の新薬師寺を参拝した後、その次の目的地の入江泰吉記念奈良市写真美術館で芸術を堪能する。その両者の間には鏡神社があり、この辺りが高畑町のメッカである。

白毫寺道標歩く・なら「山の辺の道(奈良~天理)」で訪れたこともあるが、最後の目的地の白毫寺を参拝するコースは今まで皆無だった。参道の途中には東海道自然歩道案内図がある。東海自然歩道は歩く・なら「山の辺の道(奈良~天理)」奈良ウォーキングマップ其の参 9.滝坂の道・円成寺コースで歩いているがちょうどこの辺りが抜け落ちているので、いつか歩いてみたいものだ。

この後2008年に新薬師寺の七仏薬師金堂と推定される遺構が発見された奈良教育大学を半周して建立当時の新薬師寺の大きさを感じた所が、バスターミナルのあるゴールの高畑町バス停である。入江泰吉記念奈良市写真美術館をじっくり観賞するなら1日コースであるが、普通に観光するなら半日コースとなるので奈良を歩く ゆきめぐり「江戸・明治時代の町並みを今に伝える ならまちじっくり3時間コース」と組み合わせるのがおすすめである。

2011年1月2日日曜日

生駒の散歩道「暗峠コース」

生駒の散歩道暗峠コース」を歩いた。コースのほとんどが暗越奈良街道の異名を持つ国道308号であるが、アスファルト舗装の広い二車線道路はほんの一部で、さすがに未舗装道路はないが大部分が細く険しいコンクリート舗装の車が対向するのも大変な国道とはとても思えない凄まじい道であった。圧巻はゴールの暗峠でなんととても風情のある石畳の舗装道路である。マップには約4km約1時間20分との記載があるが、コース上にバスは走っていないのでゴールの暗峠からは最寄りの駅まで歩く必要があり、結局コースを往復する。オプションコースを含めると計10km以上の坂道をアップダウンするかなりハードな道が続くが、復路では眼下に拡がる眺望を楽しむことができる素晴らしいコースだ。


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コースのスタートは近鉄南生駒駅で、竜田川を渡ると暗越奈良街道道標があった。この道標通りに真っ直ぐ細い道を行くとやがて登り坂になり、生駒市立生駒南小学校がいいランドマークである。とにかく国道とは思えない細い道が、国道308号暗峠道標の辺りだけ国道らしい二車線道路となる。ここから道を左にとればむかいやま公園だが帰りに寄ることにしてまずは一直線に暗峠を目指す。

石仏寺を参拝し石造阿弥陀如来立像から暗越奈良街道道標を過ぎた後、万葉歌碑の側には芭蕉も歩んだことをうかがわせる石標もあり歴史ある奈良街道を偲ばせる。この後視界の開けた棚田を楽しみ、信貴・生駒スカイラインをくぐればゴールの暗峠だ。何でこれが国道なのと不思議に感じる見事な本格的石畳がごく少しだけ拡がるのも奇妙で、全国唯一の国道ではないかと思わせる。

帰り道では、先程の棚田を見下ろした後も、眼下に拡がる眺望を楽しみ、つぎの暗越奈良街道道標から、鶴林寺を訪れるため、一旦奈良街道からはずれるのだが、この鬼取町も険しい急坂が続く。暗越奈良街道道標で奈良街道に戻るのだが、その手前で振り向いてみると生駒山テレビ・FM送信所がきれいに見えた。生駒市中央公民館南別館を過ぎて、西池の眺めも風情があってよかったが、さらに最後に寄り道したむかいやま公園へ向かう道でも、生駒山をバックに素晴らしい眺望に出会うことができた。

正月だというのに多くの同好者に出会ったのも、歴史街道だけでなく雄大な自然風景を満喫できるからであり、リピーターも多いのだろうと納得した次第である。