2007年4月8日日曜日

空を翔る大黒様(御嶽山大和本宮)


何とも不思議な御神像である。
なぜ大黒様が鳥に乗っているのだろうか。

当然のことながら、ただの鳥ではない。金鵄である。神武天皇を助けた鳥は八咫烏だけではない。金鵄はきんしと読み金色のとびのことであり、神武天皇の東征に際して、長髄彦(ながすねひこ)征伐の際に弓の先に止まって天皇の軍を助けたという。

御神像は御嶽山大和本宮の神滝の上に祀られており、金鵄大黒天という。大和本宮が神武天皇の御東征を勝利に導いた金鵄にゆかりある神苑であるという由緒を尊んでのことであるが、なぜ大黒様なのだろう。

危険なので許可がいるが、神滝では瀧行にて心身の潔斎ができるようだ。ちなみに今日は滝の水は枯れていて流れていなかった。申し込んだ時だけ流れるのかもしれない。今まで両手で余るほど大和本宮は訪ねており、知らない神域はないと思っていたが、神滝を見るのは初めてなので真偽の程は定かではない。山の方に御神像は多くあり、神武天皇像もあるのだが、何故神武天皇像があるかの疑問も氷解した。

しかし、今まで何故神滝を見つけられなかったのだろうか。山から下りた所からまた山の方へ戻った奥の方にあるため、神滝の方へ足を向けない限り死角になって見えないのではあるが。このことから、山を削って作った人工の滝のような気がして仕方がない。

御嶽山とは木曽節で有名なあの御岳山で、日本古代から山岳信仰で現在は御岳教として活動している。

木曽のナーなかのりさん 木曽の御嶽ナンチャラホイ 夏でも寒いヨイヨイヨイ
  袷(あわしょ)ナーなかのりさん 袷やりたやナンチャラホイ 足袋ょ添えてヨイヨイヨイ

信州に大元の本宮があって、大和本宮は奈良県の本宮かと思っていたが、役の行者が開祖の修験道と御岳山が結びつき、役の行者の出身である大和の地に本宮が出来ているらしい。ちなみに、木曾には御岳教木曾大教殿がある。

御岳山大和本宮は地元では桜の名所である。桜の頃には花見でにぎわい、桜が満開になる土日には桜まつりも開かれている。実は桜を撮りに行ったのであるが、思わぬ発見をした。


池にも名前があった。和楽の神池という。ちなみに橋は和楽の橋である。
御岳山信仰は今でも隆盛を極めている。


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