2009年4月18日土曜日

歩く・なら「世界遺産に連なる修験の道」黒滝・吉野ルート

歩く・なら「世界遺産に連なる修験の道」黒滝・吉野ルートを歩いた。「世界遺産に連なる修験の道」黒滝・吉野ルートは、奈良県のウォーキングポータルサイトである歩く・ならの推奨ルート、大和風景堪能の道の一つである。桜の名所である吉野山の観光ルートを楽しんだ後、黒滝村のハイキングコースを巡る全長約17Kmのコースである。吉野山の観光ルートもほとんど登りで疲れた後に黒滝村での厳しい山道を行く正に言葉通りに修験の道であった。桜の咲く頃が一番ではあるが、桜がなくても十二分に自然の風景を堪能できる。


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スタートは近鉄吉野駅である。しかしハイキング姿の多くの人が二駅前の大和上市駅で降りていたのにびっくりしたのだが、大峯奥駈道の案内板にスタートは大和上市駅の近くにあることを見て納得した。コースは吉野山ロープウェイ千本口駅の右横を抜けて急勾配の山を九十九折りで登る七曲坂へと続き、登りきったところで車の観光客と合流する。電車の観光客の多くはロープウェイを利用するので七曲坂は静かで歩きながらの眺めもよい。七曲坂を登った後しばらく歩けば吉野山ロープウェイ吉野山駅である。ここから金峯山寺銅の鳥居金峯山寺山門吉野山ビジターセンター吉水神社と巡っていく間、道の両側は土産物屋がぎっしり詰まっている。

コースはそのまま観光コースを観光客と共に歩くので迷うことはないが、吉野山は一本道ではないので道の分岐点を写真入りで解説しているルートマップは重宝する。その後竹林院吉野水分神社金峯神社と巡っていくが相変わらず観光客は多く、さらにほとんどの人が西行庵まで足を伸ばしているのには驚いた。疲れたら奥千本口バス停からバスに乗って帰り、後半はまた今度にしようかと考えていたが観光客に負けてはいられないし、バスに乗るにはかなりの時間待ちのようでもありバスに乗らずに引き返すのであれば距離的にはこのままゴールを目指しても変わらないので、山道の17Kmは体力的にかなり厳しいと思いながらも気合を入れて頑張ることにした。

当然のことながら黒滝村へ向かう観光客は全くおらず、吉野町と黒滝村の境での眺めは最高であった。写真の中央が高城山展望台であり、視界がさらに開けた絶景だろうなと類推できる。余力があれば是非行ってみたいところだ。その後コースは上級者向けと平坦な道の分岐点に出る。ルートマップおすすめの百貝ヶ岳山頂理源大師廟塔ははずせないからと迷わず急な勾配が続く山道を選んだ。黒滝村の山道は一面吉野杉で覆われており百貝ヶ岳山頂でも眺めはよくないが、理源大師廟塔は国の重要文化財にもなっており一見の価値ありである。吉野山でもかなりの急坂がありそれに慣れているので大した急勾配には感じなかったし、頂上まで登れば後は下りで楽になると考えていたのだが甘かった。下りの方がもっと急勾配で自分の体重を抑えるのに大変でほとんどひざが笑う状態になっており、登りの方が楽だと感じたのは初めてである。

分岐していたコースは鳳閣寺で再び交わると共に山道も終わり、しばらくは舗装された車道を歩く。次の鳥住春日神社で車道を行くのか、舗装されていない道を下るのか迷ったのだが神社の前の舗装道路を南下すればいい。このままゴールまで車道でいいと思う程疲れているだが、地蔵堂からまた山道を登り下りする正に修験の道であった。ここからは黒滝村ハイキングコース道標が整備されており迷うことはないと思ったのだが、山道が多く大変であった。道標にはNoがふってありそのNoを確認しながら歩くことになるのだが、特に最後の分岐点の黒滝村ハイキングコース道標17には参った。写真の左方向から来て右方向に行きなさいの表示なのだが、写真に写っている登る道は来た道を左折することになるし、他には右折して下る道があるのみで右方向に道はない。ここで道を間違うとバスの時間に間に合わなくなると非常に焦った。地図では九十九折りに下る道が描かれておりこのくだりの道の先は九十九折りになっているようなので下る道を進んだのだが、黒滝村ハイキングコース道標18がなかなかない。距離的には400mなのだが道があっているかどうかドキドキもんであったので、非常に長く感じた。ここで山道は終わりこの後は粟飯谷川沿いの平坦な道となる。

粟飯谷川沿いの見どころは、粟飯谷八幡神社正西寺、妙見神社と続くが妙見神社は奥まった所にあるようで、コースから望むことはできなかった。粟飯谷川が黒滝川に合流した所が、黒滝・森物語村で大きな吊橋がまず目に入る。御吉野の湯を営業していたが、日帰りで遊びに来る所ではなく宿泊施設になっておりゆっくり自然を楽しむようになっているようだ。ここからは2車線の県道で歩道を歩くことになる。長瀬八幡神社光明寺を右手に見た後すぐにゴールの道の駅「吉野路黒滝」である。その敷地内に黒滝案内センターバス停はある。予定通り15:50発の近鉄下市口駅行きに乗れたのだが連絡が悪く約25分電車待ちをした。

時間を気にせず歩くにはコースを逆に辿った方がよいのだが、吉野山が下りになってしまうのでは魅力半減になってしまう。つらい登りを続けるからこそ体力的にきつくなるし、またバスの時間が限られて時間制限がある中で歩き抜けたことが達成感につながると感じた。さらに黒滝山の山道では体にパワーがみなぎるのを感じた。今回だけでなく先週も山道のある柳生街道を歩いたせいでもあるが、たっぷり森林浴ができたからだと思う。もしかすると世界遺産の霊場からもパワーをもらっているのかもしれない。17Kmも歩いて疲れるはずなのに不思議である。