2011年8月12日金曜日

歩く・なら「かぎろひ立つ、古の狩猟地・阿騎野へ」

歩く・ならかぎろひ立つ、古の狩猟地・阿騎野へ」を歩いた。いやいい。実にいい。阿騎野という地名に郷愁をそそられてはいたが、実際に歩いてみると本当にいい。かぎろひに立ち会うのは本当に大変だが、伊勢本街道の旧い町並みから青麦の揺れる田園風景を抜け、万葉集の名歌が詠まれた丘に立つ実に素晴らしいコースだ。こんな素晴らしい所がまだ奈良にあったのかと驚いた次第で真に「やまとは国のまほろば」である。

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コースのスタートとゴールである大宇陀バス停道の駅「宇陀路 大宇陀」の中にある。もちろん駐車場完備なのでマイカーで行ってもいいし、バスも1時間に2本はあるので、土産を選んでいれば時間を持て余すこともないだろう。大宇陀観光案内図から、近畿自然歩道道標を無視して目前の横断歩道を渡って直進した次に交差する道が伊勢本街道である。
旧い町並みによく似合う灰色をした特別な舗装道路が、推定明治前期建築の大宇陀まちづくりセンター「千軒舎」から、葛粉を作り始めて11代目の藤助が享保年間に自宅の裏山に開いた「小石川植物園」と並ぶ日本最古の薬草園である森野旧薬園辺りまで続き、何故か実に爽快な気分である。すこし階段を登った見晴らしのいい神楽岡神社の境内も雰囲気が素晴らしく何故か心地よく感じる。
歴史街道宇陀市道標から伊勢本街道に別れを告げ、水飛沫を上げる宇陀川を 渡り、近畿自然歩道道標通りに進み、次の歴史街道宇陀市道標を右に道をとり、その次の歴史街道宇陀市道標から、能舞台がある阿紀神社を目指す。天照大神を祀る所以が神武天皇が紀州熊野の難所を越えて宇陀の地まで進軍したというのだから、凄いの一言である。またこの辺りは麦の栽培地になっていて、青麦が風に揺れる田園風景が、稲に慣れた目には実に新鮮で気持いい。
この後本コースのハイライトであるかぎろひの丘(万葉公園)を登り下りする。毎年旧暦の11月17日の早朝に「かぎろひを観る会」が開催されるが、厳冬の雲一つない晴れた日でしか見られないらしい。人麻呂の詠んだ超有名な歌碑はそびえる程立派に建っている。そして一度は通過した歴史街道宇陀市道標を古の狩猟地に相応しいデザインの宇陀市大宇陀体育館を目指す。そして併設されている本コースの主人公の馬上像がある阿騎野・人麻呂公園を散策した後、一度通った近畿自然歩道道標を今度は道標通りに国道166号を歩いて道の駅「宇陀路 大宇陀」へゴールする。コース的には少し短いので、桜の季節にPLUSαの又兵衛桜まで足を伸ばすのが正解だろう。