2010年4月10日土曜日

歩く・なら「吉野 金峯山寺から紀伊山地の奥へと続く修験の道へ」

歩く・なら吉野 金峯山寺から紀伊山地の奥へと続く修験の道へ」を歩いた。歩く・なら「世界遺産に連なる修験の道」黒滝・吉野ルートは正に修験の道だが、本コースは一番苦しい登りのほとんどをロープウェイとバスを利用するお手軽観光コースであった。今回は吉野山名物の桜の開花時期に合わせたのだが、うわさにたがわず素晴らしい景色であった。桜だけでなく吉野山全体が霊場であり寺社仏閣の見所も多く、自然の素晴らしい風景と歴史ロマンを堪能できる。


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ゴールのスタートとゴールは近鉄吉野駅で、まずは千本口駅から吉野山駅まで3分間ロープウェィに乗る。現存するローブウェイとしては日本最古だけあって怖いほど前後に揺れるのがおもしろい。この辺りが下千本だが見頃は過ぎているようだ。桜を楽しむなら千本口駅横を抜けて七曲坂を登って吉野山駅を目指すのがよい。

次の目的地は金峯山寺であるが、その前にも黒門銅の鳥居、その後にも東南院吉水神社と見所も多い。しかし勝手神社までは吉野観光のメインストリートで土産物屋や食事処が連なっており、観光シーズンは歩くのも大変な程の人込みである。この後の坂道からは道が二手に分かれることもありまずまず歩きやすくなる。坂道を登りきったあともさすが信仰の山で、喜蔵院桜本坊竹林院と寺社仏閣が目白押しである。

この後次の目的地の金峯神社まではバスを利用することになっているが、バスを待つ人の波が長蛇の列になっていたので、ハイキングコースに適してはいませんという看板を無視して歩いて見た。当然人っ子一人歩いていないかとも思ったが一人の人とすれ違ったし、道を間違えて降りてきている人にも出会った。観光道路からほんの少ししか離れていないが時折通るバスやタクシーの他は鳥のさえずりを楽しむことができるし、距離的には長いが車道のためきつい坂道がないのでウォーキングには適している。観光道路は急な坂道も多く時間的にもあまり変わらないのかもしれない。

バスは金峯神社鳥居までで、金峯神社本堂まで結構長い急な登り坂である。その後も左西行庵右鳳閣寺道標まで急な登りの山道で、西行庵を訪れた後、また元来た金峯神社鳥居へ戻る道は別の道なので、コースとは逆向きに回ってもいいのだが、この急な登りの山道が一部ぬかるんでいて下るにはつらいので、コース通りに回る方がいいだろう。西行庵の辺りが奥千本だが見頃はまだまだのようだ。元来た道に戻る前に紀伊山地の霊場と参詣道案内図があった。

ここから高城山展望台へ登る以外はほとんど下り坂である。高城山展望台では桜は楽しめなかったが、最後の目的地の吉野水分神社の境内には見事な桜が咲いていた。次の花矢倉展望台辺りが上千本で、この辺りからは下の中千本に向かって見るのが素晴らしい。次に一日文学散策館の前を通り、吉野町観光案内図まで降りるとバス停のある竹林院は目と鼻の先である。ここから少し道が複雑で道に迷ってしまったのだが、そのおかげでこの日一番の風景に出会うことができた。吉野山道標から五郎兵衛茶屋の下を回って近畿自然歩道道標へと抜けるのだが、五郎兵衛茶屋の辺りが中千本で五郎兵衛茶屋の高台から上千本を見上げる風景は絶品であった。

この後ゴールの近鉄吉野駅までは小川沿いに水のせせらぎを楽しむのだが、吉野山観光案内図からこの小川沿いの道は「ささやきの小径」と紹介されておりちらりほらり人が歩いていた。「ささやきの小径」では多くの近畿自然歩道道標を見かけた。近鉄吉野駅近くの近畿自然歩道道標は中千本・如意輪寺の行先しか示しておらず、近鉄吉野駅は紀泉伊勢南街道ふれあいルートの一つの起点か終点のようだ。