2010年8月7日土曜日

奈良ウォーキングマップ其の参 7.山里めぐり 正暦寺・田原コース

奈良ウォーキングマップ其の参 7.山里めぐり 正暦寺・田原コースを歩いた。斑鳩の中宮寺、佐保路の法華寺と共に大和尼寺三門跡の一つで、華道「山村御流」の家元でもあるため山村御殿の異名を持つ円照寺奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コースで訪れたし、河瀬直美監督が第60回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「殯の森」のロケ地として有名になった田原は奈良ウォーキングマップ其の弐 3.麗しの茶畑田原コースで訪れたのだが、その両者を結び途中日本清酒発祥の地である正暦寺を訪れるとてもユニークなコースである。コースのほとんどが山の中の登りとなるがきつい急斜面はほとんどなく、木立ちに囲まれた昼なお暗い山道は真夏でも涼しさを感じられるほどで、森林浴を楽しみながら快適に歩くことができる。


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コースのスタートは山村町バス停であり、終点が山村町となる山村町行きのバスはまずまずの本数がJR奈良駅から出ており、もちろんそのバスは近鉄奈良駅を経由するので行きのバスについては問題ないだろう。しかしマップに描かれている山村町バス停の位置が間違っているので、コース最初の道がどこかわからずに思いっきり間違ってしまった。バス道は南北に走っているが山村町バス停はその南北の道を最後右折して東西に走る道にある。マップには南北に走る道にバス停があるので、円照寺バス停と間違っているのかと考え、円照寺バス停から円照寺参詣道を歩いていったが、どう見ても円照寺を東に抜けていく道はない。

そこで、歩く・なら「山の辺の道(奈良~天理)」で歩いたように、大師堂から竜王池へ抜けてようやく、コースは最初の目的地の円照寺の南の道に設定されていると気づいた。仕方なくコースを探しながらもう一度山村町バス停に戻った。歩く・なら「山の辺の道(奈良~天理)」で円照寺参詣道は最高と書いたこともあり、もう一度歩きたかったのではあったのだが、この季節は蝉の声がうるさく静謐な参詣道の面影はない。

気分を取り直して、コーススタートの山村町バス停を降りたらバスの進行方向の逆の東へ向かうと、バスが曲がった交差点に奈良奥山ハイキングコース道標があるので、最初の目的地の円照寺ではなく5番目の目的地である正暦寺へ道を取る。御霊神社の南を抜けて行くとかなり大きい竜王池が見えたら、その北西の角の北側の鳥居の道を行くと最初の目的地の円照寺があるが、参拝はできないしかなり遠いので、参詣道を歩く奈良ウォーキングマップ⑤のどか田園帯解コース歩く・なら「山の辺の道(奈良~天理)」で訪れる方がいいだろう。

五つ塚古墳群が見えたら、次の目的地の霊元天皇皇女墓と次の次の後水尾天皇皇女墓はすぐそこである。いつもの宮内庁管理を示す案内板に円照寺宮墓とあったのは、初代門跡が後水尾天皇皇女で二代目が霊元天皇皇女であるためだと知ったのはこのブログを書いている時である。この知識があれば目的地がどこなのか迷わなかったのだが。墓石には霊元天皇皇女ではなく二代門跡の字が刻まれていたように思う。円照寺宮墓から帰る坂道から眺める五つ塚古墳群はなかなか見事であった。

次の奈良奥山ハイキングコース道標からいよいよ山道となるが、まだまだ車が入れるようにコンクリート舗装されている。正暦寺の手前数百mは車の通れない完全な山道であるが、登りは大したことはない。しかし奈良奥山ハイキングコース道標へ出る前の道は足を滑らさないか細心の注意を要する少し険しい下りがあるので気をつけて欲しい。

奈良奥山ハイキングコース道標で車道に出るが、この車道に出る位置がマップでは間違っているのでかなり迷ってしまった。とにかく正暦寺本堂をお参りしようと車道を北へ歩いたら、すぐに奈良市五聖地めぐり地図があった。ここから菩提仙川を渡ると車道が続いているので、この車道を行けばよい。マップでは一度南に下るように書かれているので実に紛らわしい。奈良市五聖地めぐり地図から日本清酒発祥之地石碑は近いのだが、正暦寺本堂まではかなりの距離があるだけでなく、何十段もある階段も登らなければならないのでこちらを参拝するのはかなり根性がいる。

ここまで行く所行く所迷ってかなり気分を害していたのが、菩提山国有林分収育林契約分収林から菩提山国有林の約1kmの道で機嫌は直ってしまった。車道の両側は杉林で昼なお暗くおまけに川に沿って上って行くため真夏なのに涼しく感じる。このコースを設定した真髄はここにある正に本コースのハイライトであった。この後田原に降りて行くのかと思っていたが、最初に見えた田原春日野町茶畑の方に左折して北上してさらに道の両側が田原春日野町茶畑となっている道も上りで、最後の最後にゴールの田原御陵前バス停の手前残り数百mだけがバス道に降りて行く下りだった。

田原御陵前バス停のすぐ隣に春日宮天皇田原西陵がある。帰りのバスの本数は極端に少ないので、道を間違えたために、本コースのハイライトであった菩提山国有林をのんびりとは歩けず、目標物もないので今どこを歩いているかわからずせかせかと時間を気にして歩かなければならなかったのが残念だ。時間を気にせず歩くにはコースを逆向きに辿る方がいいのだろうが、ほとんど下りになってしまうのでコースのおもしろさは半減するだろう。