2010年12月11日土曜日

奈良を歩く ゆきめぐり「世界遺産「春日山原始林」を歩く」

奈良を歩く ゆきめぐり世界遺産「春日山原始林」を歩く」を歩いた。春日山遊歩道約10Kmを完歩するかなりハードなコースであるが、荘厳な春日山をほぼ一周するように設けられた遊歩道は心も体もリフレッシュさせてくれるだろう。ドライブウエィの一部であったり、またいつでも修繕ができるよう車が通れるように整備されているにもかかわらず、そのほとんどが無粋な舗装をされていない土の道なので、落葉を迎えたこの季節では落ち葉を踏みしめて快適に歩くことができた。コースには紅葉の名所が多くベストシーズンは11月中旬から下旬だろうが、まだまだ見頃の紅葉が目を楽しませてくれたたし、鳥のさせずりや小川のせせらぎは一年中耳を楽しませてくれるだろう。


より大きな地図で 奈良を歩く ゆきめぐり「世界遺産「春日山原始林」を歩く」 を表示
Picasa ウェブ アルバム 地図の作成方法 軌跡の取得方法

コースのスタートは旧柳生街道滝坂の道の玄関口である破石町バス停である。出出しは先々月歩いた奈良ウォーキングマップ其の参 9.滝坂の道・円成寺コースと同じ車道を東に向かうのだがよりウォーキングに適した一本南の観光用にアスファルトが黄土色に舗装された道を歩くと、いつも軽自動車が止まっていて絵にならない隔夜寺をカメラに収めることができた。

スタートから1kmほど歩けばいよいよ本コースのハイライトである春日山遊歩道起点で、そこからすぐの南部交番にある春日奥山案内図には桜と紅葉の名所が示されており、本コースはほとんど紅葉マークである。しばらく行くと早速五色のもみじがあるのだがその手前の遊歩道の景色が今回一番見事であった。次の目的地の妙見宮口では季節を逸してしまっているがこちらも紅葉の名所だろう。

この後三本杉跡で巨木の終焉を見納めて首切地蔵へ出る。ここまでの遊歩道は奈良ウォーキングマップ其の弐 1.健脚春日原生林コースで逆向きに歩いているのだが、やはりコース終盤の疲れた体で歩くのとはかなり印象が違ってとてもウォーキングに適したいい遊歩道だ。ここからちょっと寄り道の東海道自然歩道を歩いて春日山石窟仏を訪れたのだが、寄り道しすぎて(コースを間違えて)地獄谷園地新池春日奥山古事の森を巡ってしまった。

遊歩道は芳山交番所から鎌研交番所まで奈良奥山ドライブウェイとコースを共有しているがここをドライブする車はほとんどいないし、芳山交番所から遊歩道はほとんど下りである。鶯の滝分岐(大原橋)には、世界遺産「古都奈良の文化財」で統一されて使用されている「世界遺産 春日山原始林」の石碑があり、改めて春日山原始林は世界遺産「古都奈良の文化財」の8つの資産の内の1つの資産であることを思い起こさせてくれるのだが、もう少し奈良のメイン観光地近くの例えば若草山の近くに建てればいいのにと思ってしまう。

この後遊歩道からはずれて、興福寺別院鶯宮歓喜天まで下り、その後さらに鶯の滝まで急坂を下る。名所観光として遊歩道をはずれるのはいいのだが、この後鶯の滝分岐(大原橋)まで同じ道を登るのが体力的にも精神的にもつらい。登るのは仕方ないとしてもどこか別の道を歩かせて欲しいと思っていたら鶯の滝分岐2があった。後から鶯の滝を訪れていた人がそこから上がって来たので、鶯の滝から引き返さずにそのまま道なりに歩いて鶯の滝分岐2に出る方が間違いなく近道だろう。

花山・地蔵の背から十八丁休憩舎までは見所もなく遊歩道にも厭きてくるのだが、十八丁休憩舎から鎌研交番所はすぐそこで、ここに若草山山頂の駐車場もあり観光地らしい人込みとなってくる。若草山山頂からの眺めは素晴らしく山登りの達成感も味わうことができるし、また古都奈良らしく鶯塚古墳がある。お墓は一番いい所、即ち一番標高の高い所に建てられておりそこに立てないのは少し残念である。

若草山山頂からは若草山が開山していれば若草山を下ることもできるが本コースは遊歩道を完歩することが目的なので、遊歩道のある鎌研交番所まで戻って、かなりうねうねと山道を下るのだが、この道も車が通れるように整備されており人通りも多くウォーキングしている人ばかりでなく、純粋に観光しているカップルやランニングしている人までいた。途中中水谷休憩舎があったのだが遊歩道にはこのようにバランスよく休憩舎が建てられているのに感心する。

この後季節はずれで洞がどこかわからなかった洞のモミジとそのすぐ近くのかなり格式でしかも車も多く停まっていて人気があると感じた料理旅館月日亭の前を通り、春日山遊歩道入口で土の道は終わるが、遊歩道の終点はそこから坂を200m西へ下った春日山遊歩道北起点であり、そこからさらに200m南下した春日大社本殿バス停がゴールである。

しかしマップくの裏面に紹介されている御蓋山と三笠山のまめ知識は衝撃的であった。唐の玄宗皇帝に重用された阿倍仲麻呂が大和を偲んで詠んだ「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも」の三笠山は春日大社のすぐ北にある御蓋山であり、昭和10年に創立された三笠宮家を畏れ敬ってその山の形状から名付けられた三笠山を若草山に改名したとは、驚き桃の木山椒の木である。